近畿日本ツーリストが、自治体などから委託を受けた新型コロナウイルスのワクチン接種関連の業務で人件費を過大に請求していた問題で、警察は東大阪市から人件費などおよそ5億8900万円をだまし取ったとして大阪の支店長ら3人を詐欺の疑いで逮捕しました。
逮捕されたのは、大阪・浪速区にある近畿日本ツーリスト、関西法人MICE支店の支店長、森口裕容疑者(54)ら3人です。
警察によりますと、3人はおととし(令和3年)3月から去年(令和4年)3月までの間に、東大阪市から請け負った新型コロナのワクチン接種のコールセンター業務で、オペレーターの人数を水増しするなどして人件費や委託費およそ5億8900万円をだまし取ったとして詐欺の疑いが持たれています。
市の指定よりも少ないオペレーターの人数を再委託先に発注したうえで、後日、支店長が勤務実績の改ざんも依頼し、うその書類を市に提出するなどして不正に請求していたとみられるということです。
警察は今月(6月)1日、大阪・浪速区や静岡市にある支店を捜索し、資料を分析するなど捜査を進めていました。
この問題をめぐっては、全国の自治体などに最大でおよそ14億7000万円を過大に請求していたことが会社の調査で明らかになっていて、警察が詳しいいきさつを調べています。
警察は3人の認否を明らかにしていません。