去年、札幌市で走行中の車から転落した女性が後続車にはねられて死亡し、女性が乗っていた車の運転手が飲酒運転の発覚を免れるために逃走した罪などに問われた裁判で、札幌地方裁判所は発覚を免れようとした罪は認定せず、救護義務違反などの罪で執行猶予のついた有罪判決を言い渡しました。
去年11月、札幌市白石区で走行中の車の後部座席から20代の女性が車外に転落し、直後に後続の車にはねられて死亡しました。
女性が乗った車を運転していた札幌市厚別区の無職、森谷元気被告(30)は必要な注意を怠った上、飲酒運転の発覚を逃れるために現場から逃走し、救護措置を行わなかったなどとして「過失運転致死アルコール等影響発覚免脱」などの罪に問われました。
1日の判決で札幌地方裁判所の井下田英樹裁判長は「被害者が転落する現実的な危険性を認識するのは困難で、転落後の切迫した時間内に後続車がくることを予見できなかった疑いがあり、検察側が主張する過失はいずれも認められない」として、「発覚免脱」の罪は認定しませんでした。
一方、「飲酒運転による検挙を免れようという目的でその場を立ち去った点は身勝手で、被害者を見捨てたというべき行為は厳しい非難に値する」として、道路交通法の酒気帯び運転と救護義務違反の罪で懲役1年6か月、執行猶予4年を言い渡しました。