自動車販売名目で5人の客に高額な代金を支払わせながら納車せず、現金をだまし取ったとして詐欺の罪に問われた元取締役に対し、長野地方裁判所は、「常習的な犯行で多額の被害が生じていて、刑事責任は重い」などとして、懲役3年6か月の実刑判決を言い渡しました。
長野市丹波島の自動車販売会社、「デュナミス・レーシング」の元取締役、小谷徹被告(64)は、おととしから去年にかけて自動車販売名目で5人の客から現金あわせて1678万円を送金させたにも関わらず、納車せずに現金をだまし取ったとして詐欺の罪に問われました。
12日の判決で長野地方裁判所の坂井唯弥裁判官は、「会社の経営が破綻していることを認識しておきながら、新たな客から得た金を別の客の納車費用などにあてることを繰り返し、起こるべくして起きた犯罪だ。常習的な犯行で多額の被害が生じていて、刑事責任は重い」などとして、懲役3年6か月の実刑判決を言い渡しました。
これまでの裁判で検察は懲役5年を求刑したのに対し、弁護側は「5人の被害者に対して、あわせて600万円余りを返済している」などとして執行猶予付きの判決を求めていました。