iPS細胞から作った心臓の細胞の移植について、大阪大学の研究グループは新たな治療法を開発するための治験として計画していた手術をすべて終了したと発表しました。患者の経過はいずれも順調で、2年以内の実用化を目指したいとしています。
これは19日に、大阪大学の澤芳樹特任教授らのグループが東京都内で記者会見を開いて明らかにしました。
グループでは、iPS細胞から心臓の筋肉の細胞を作り、シート状に培養した「心筋細胞シート」を、重い心臓病の患者の心臓の表面に貼り付けて移植する手術を、3年前から治験として実施してきました。
移植は大阪大学や東京女子医科大学などであわせて8人の患者に行われ、計画していた手術はすべて終了したということです。
患者の経過はいずれも順調だということで、グループでは半年間の経過を確認し、安全性や有効性に関するデータをまとめたあと、国に申請を行い、保険が適用される一般の治療法としての承認を、2年以内に目指したいとしています。